機器の電子考察

かつては電子回路設計、ソフト設計をしていた管理人がギター用機器の電子的考察をします。
まぁ、「読み物」として適当に読んで下さいませ。

1.ピックアップ考 マグネティック編
2.平衡/不平衡信号 編
3.インピーダンス編
4.MixPro 日本語取り扱い説明書
5.ProDIF PLUS のXP用ドライバ

私の分かる範囲で書いてますが、違っていたらすみません。(笑)

番外:【資料】ピックアップサンプル音源集へのリンク(mixiで見つけました)

B-BAND ,L.R.Baggs ,Seymore Duncan ,Pickup The World ,Fishman ,K&K ,Highlander ,Ovation ,Sunrise ,SC Laboratories ,
McIntyre ,Trance Audio ,Taylor ES ,Schantten Design ,Schertler ,Radio Shack が聴けます。


5.ProDIF PLUS のXP用ドライバ

過日、ヤフオクでProDIF PLUSと言うサウンドカードを入手しました。
ADAT入出力ができる意外に優れものです。

既に生産は中止されている所かサポートも中止、ドライバが入手できない状態でした。
ありがたい事にドライバを下さる方がいらっしゃいまして使えるようになりました。

ありがとうございました。

必要な方もあるかも知れません。

ProDIF PLUS のXP用ドライバのダウンロード

端子:
標準TRSステレオ アナログ IN (アンバランス) ×1
標準TRSステレオ アナログ OUT (アンバランス) ×1
光デジタル(TOSLINK)/同軸(切替利用) デジタル IN ×1
光デジタル(TOSLINK)/同軸 デジタル OUT ×1

スペック:
アナログI/O: 20bit 48kHz
デジタルI/O: 24bit 11.025/22.05/32/44.1/48/96/29〜105kHz(可変、88.2なども設定可能)

デジタルI/OはコンシューマとAES/EBUフォーマットを選択可能
デジタル入力はSCMSコピープロテクションビットを無視
Windowsのサウンドミキサーを介さないので、bit-by-bitの正確な入出力が可能
デジタルI/OはLPCMのほか、adat 8chモードでも使用可能
インターフェイスはWindows MME、ASIOで使用可能
対応OSはWindows 95/98/Me/NT4/2000/XPとなります (Vista非対応です)

手元にはXP用しかございません。
Vistaに関してはサポート終了してますので将来的にもサポートはありえません。
ヤフオクなどで購入を考えている方はご参考に。


4.MixPro 日本語取り扱い説明書

僕は英語が不得意でL.R.Buggs MixProの説明書が読めなくて困っておりました。

HPに遊びに来て頂いてるITIBAさんの娘1さん、また御主人に翻訳をお願いしました。(^^ゞ
この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。(~_~)

色々MixProのセッティング方法をHP等で紹介されいてる方もいらっしゃいますが、参考にして頂ければ幸いです。

中々調整の確認ができませんが、僕なりに調整方法は後日UPして行きたいと思っています。

1.クイックスタート
1. 乾電池をセットして下さい。
2. 使い方は第3節の内部コントロールダイアグラム図を参照してください。
3. あなたのピックアップ(マイク)がファンタム電源を必要とするなら接続してください。
4. 1メートル以下の短いステレオケーブルをギターからMixproの入力に接続してください。
5. PAまたはアンプにMixproの出力からモノラルケーブルをつないでください。
6. 1ピックアップ(ch.1)にミックスバランスを完全に回し切って、ゲインとイコライザを調整してください。
7. 第2ピックアップ(ch.2)にミックスバランスを完全に回し切って、出力が第1ピックアップとだいたい同じくらいの大きさになるように、慎重にゲインを調整してください。
8. ローカットがあなたの第2ピックアップのイコライザ設定で効くように調節してください。
9. もう一度第1ピックアップのゲインを微調整して、第2ピックアップの音量に合わせてください。
10. ミックスバランスを中間位置に回して、あなたの組合せにとって最良の位相を見つけるために 位相スイッチの位置を調整してください。
あなたが決めることができないならば、 ミックスバランス変化させる時に最もスムーズにピックアップが切り替わる位相の位置を選んでください。

2.外部コントロール
A. トレブル(高音)
調整つまみ
高音域の音量を調節します。また、いわゆる「プレゼンス」の調節にも使用します。
B. バス(低音)
調整つまみ
低音域の音量を調節します。暖かみを加えたり、フィード バックを消すために使用します。
C. トリム調整つまみ

27Hzから200Hzまで周波数可変な12dB/オクターブカットオフフィルターです。 このフィルターはバスボリュームの効果をカスタマイズして、超低音域を加えずにウオーム な低音域をブーストできます。また、ミニマイクとウーハーからでる超低音域を弱めるにも役立ちます。

D. ボリューム調整
つまみ

調整が音の特徴と個性に影響を及ぼすゲイン調整と違って、 ボリュームは単にこの箱から出る信号の強さを調整します。Mixproは、たぶんあなたの信号チェーンで 最も雑音が少ないものです。ですから、システム信号を最良の雑音比率にするために、 PAが歪を引き起こさない範囲でできるだけ大きいボリュームで使用することを勧めます。

E. 1/4"出力

これは、標準的なモノラルケーブルのための標準アンバランスド出力です。 あなたはこれにまさに何でも接続することができます。

F. インバート

この調整は信号の極性を変えます。ボタンが出ているとき、出力は 入力信号と同期しています。位相は、ギタートップにスピーカーの音圧がどうかかるかということに 影響を及ぼします。ギタートップとスピーカーが同調しているとき、低音域のフィードバック が発生することがあります。

G. 電池状態LED 電池状態LED:電池状態LEDはユニットが差し込まれているときは常時点灯しています。 電池が弱くなるにつれてLEDの光は徐々に暗くなります。 光が見えにくくなったら、電池を交換してください。
H. 電池収納部 電池を交換するには、ネジ回しまたは硬貨を使って ベルトクリップ付近の2本のネジを取り外してください。プリアンプを収納部からスライドさせて、 電池を交換してください。
I. ミックス
調整つまみ
これは、あなたの趣向やアプリケーションに合うように2つの入力をミックスする ことができます。調整つまみに向かって、それを反時計回り(左回り)いっぱいに回したら あなたがチップチャンネル上のどんなピックアップでもその100%出力が得られます。時計回りいっぱいに回したら リングチャンネルの100%出力が得られます。
J. 入力 この入力は、1/4"ステレオケーブルを接続します。あなたが1台だけのピックアップを望むか、 ステレオケーブル(僅かな信号もリングチャンネル乗らない)を持っていないならば、標準的なモノラルケーブルを 使うこともできます。 ピックアップをギターに取り付けるとき、チップチャンネル上に配置するために主要なピックアップを選んでください。 (これは通常、最も適しています) 標準的なアプリケーションは、チップのリボントランスや磁気ピックアップのようなもの、またはリングチャンネルの ミニマイクになるでしょう。

3.内部コントロール
Mixproは2台のピックアップをうまくミックスされるように構成するための主要な調整器を すべて持っています。
これらの調整器は、ユニットの裏の2本の大きなネジを取り外し、プリアンプをスライドさせてはずす ことによって操作できます。
1. チップチャンネルコントロール
A. ゲイン調整
つまみ
これをセットする前にミックス調整つまみを反時計回りに完全に回してしてください。
詳細は、第4.4節(ゲインの設定)を見てください。
B. 9Vファンタム電源 Mixproはファンタム電源を外部電源で動くミニマイクや装置に供給するので ギターのバッテリーは必要なくなります。

注意:特にそれを必要とする装置(例えばミニマイクまたはL.R. Baggs バッファージャック)以外は、 ファンタム電源を使わないでください。
ファンタム電源の適用は、入力インピーダンスを20KΩ未満に下げて、 大部分のパッシブピックアップを役に立たなくします。 あなたのパッシブピックアップの音がが細くあるいは弱く聞こえるならば、ファンタム電源が確実に オフにされているかチェックしてください。
2. リングチャンネルコントロール

リングチャンネルで最も一般的に使用されるのは、ミニマイクです。
Mixproは、2線接続で構成できる大部分のミニマイクを動作させます。
これらのマイクの多くは、2線接続状態にするため、抵抗を通してアースに繋ぐ3本目の線を 備えています。
我々はよりポピュラーなマイク用に最適なパフォーマンスを得るための必要な配線と 抵抗値を示した表を掲載しました。第4.1節を参照してください。
C. ゲイン調整
つまみ
これをセットする前に、時計回りいっぱいにミックス調整つまみを回してください。
このチャンネルに付けられる装置がチップチャンネル上の装置と同程度のボリュームを持つよう に、リングチャンネルのゲインをセットすることを推奨します。
ミキサーのつまみがノーマルな12時の位置にあるとき、50/50のミックスになります。
付加情報については第4.4節(ゲインを設定する)を参照してください。
D. 9Vファンタム電源 Mixproはファンタム電源を外部電源で動作するミニマイクや装置に供給するので ギターのバッテリーは必要なくなります。

注意:特にそれを必要とする装置(例えばミニマイクまたはL.R. Baggs バッファージャック)以外は、 ファンタム電源を使わないでください。
ファンタム電源の適用は、入力インピーダンスを20KΩ未満に下げて、 大部分のパッシブピックアップを役に立たなくします。 あなたのパッシブピックアップの音が細くあるいは弱く聞こえるならば、ファンタム電源が確実に オフにされているかチェックしてください。
E. ローカット
トリムつまみ
これは、ミニマイクとボディーピックアップからの過剰なブーミー を調節することに役立ちます。
一般に、チップチャンネル上の主なピックアップと類似した低音域の反響 を持つために、このつまみを使用してマイクまたはボディーピックアップの低音域を調節してください。
低音域の反響がピックアップの音量に影響を及ぼすので、ゲインのセッティングを確定させる前に、 リングピックアップの低音域反響を調節してください。
F. ローカット レンジスイッチ ワイドレンジなローカット調整を提供します。
標準的なニア=サウンドホール装着またはボディーピックアップは、ボディーの奥のほうに置かれる ほどより大きな低音域カットを必要としますが、それに使われるミニマイクにはローレンジで十分な低周波減衰を得られます。
ボディーの奥のほうに置かれるマイクやブーミーなボディーピックアップは、より低周波減衰を必要とす るかもしれません。このような場合はハイレンジを使ってください。
G. 位相
スイッチ
この調節で、あなたは2つソースのブレンドを最適化することができます。 ミックス調整つまみを12時の位置(チップチャンネルとリングチャンネルを等しく分ける)にして ある位相設定がすばらしいサウンドになることが、しばしばあります 最適な位相は、通常明らかに判ります。もし判らないならば、あなたがチップチャンネルからリン グチャンネルまでパンするとき、最もなめらかにブレンドされる方の位相スイッチを選んでください。

4.ユーザーズ ガイド
1. 2ソース Mixproは、どんなピックアップでも2つをきっちりとミックスします。
特定なタイプのピックアップとミックスさせるとき、あるピックアップはギターのプリアンプ/バッファを 必要とします。
他のピックアップは1つのコードの下で受動的に動作させることができます。

Mixproで最も一般的に使われるのは、圧電型アンダーサドルピックアップとマイクをミックスすることです。
ステレオコードでミニマイクと受動圧電型ピックアップを使うことは、クロストーク(これの 詳細については第4.2節を参照してください)を引き起こします。
この問題の解決方法はギターの アクティブプリアンプ/バッファを使うか、電池で動くプリアンプを我々のファンタム電源で動く バッファージャックと入れ替えることです。 多くのアンダーサドルピックアップはある種の電池式プリアンプ/バッファを備えています。そして、 それはミニマイク信号と互換性を持つ信号を出力します。
多くは、マイクをリングチャンネルに付けるために、はんだパッドを持っています。
いくつかは 電池から電力をマイクに供給します、そして、他のものはマイクのためにファンタム電源を必要 とします。
Mixproはどちらのタイプででも動作して、必要に応じて電力をマイク(そして、 ピックアップ)に供給することができます。

以下の表は、一般的な組合せと必要条件をいくつか示しています
Pickup Onboard Buffer Required?*
Mic + Ribbon
Transducer
Yes -- use Buffer Jack or RTS
preamp**
Mic + LB6 No -- but best with Buffer
Jack***
Mic + Hex Pickups No
Mic + Matrix Yes -- use Matrix preamp or
Buffer Jack
Mic + B-Band Yes -- use B-Band preamp
only
Mic + Magnetic Pickup No
Contact Pickups +
Ribbon Transducer
No
組合せピックアップ 使用できるか?*
マイク + RibbonTransducer ○使えます -- 「Buffer Jack」 または RTS
プリアンプを使用の事**
マイク + LB6 ×使えません -- but best with Buffer
Jack***
マイク+ Hex Pickups ×使えません
マイク + Matrix ○使えます Matrix製プリアンプ
または「Buffer Jack」を使用の事
Mic + B-Band ○使えます B-Band製プリアンプを
使用の事
Mic + Magnetic Pickup ×使えません
Contact Pickups +
Ribbon Transducer
×使えません
  * 3フィートのステレオコードで使われるとき
 ** Strapjack Plus 4-ピンステレオジャックを必要とします。同封のRTS補足を見てください。
*** クロストークの許容レベルが高出力セラミック圧電型ピックアップで達成できるのがわかります
L.R.Buggs
RibbonTransducer

○使えます

L.R.Buggs
LB6

×使えません
L.R.Buggs
Hex Pickups

×使えません
FISHMAN
Matrix

○使えます
B-BAND
(A1N-1470)

○使えます
L.R.Buggs
Buffer Jack

ミキシング・アクセサリー「Buffer Jack」
単純な解決方法です

マイク/ピックアップクロストークの問題解決、そして、あなたのギターに内蔵バッテリーが必要なくなります
あなたのピックアップの音を忠実に伝えます

Mixproと使用することによって「Buffer Jack」はクロストークを心配せず、どんな長さのステレオケーブルでもピックアップと内臓ミニマイクが使えます。

「Buffer Jack」は、先端チャンネル9Vのファンタム電源を供給すると使用できます。
Mixproまたは社外ステレオプリアンプで使えます。
ですので、面倒な搭載バッテリーから開放されます。

回路自体は、どんな高いインピーダンス圧電性ピックアップ(例えばRibbon Transducer)でも、ギターから低いインピーダンスピックアップ信号を送ります。

低インピーダンス信号になることによって、元々低インピーダンスのマイク信号とのクロストークに効果があります。

基本的に、外部プリアンプから見ると、2台の低インピーダンスマイクがつ繋がっている様に感じます。

直列信号経路は一つの厳選されたFETだけから成って、甘さ、明快さと低い雑音の極限のために、純粋なクラスAで動作のアンプです。
2. クロストーク クロストークは干渉、あるいは、一般的なシールド(例えばステレオギターケーブル) の中の2つの信号の漏れです。

高インピーダンス圧電型ピックアップが低インピーダンスなアクティブソース(例えばミニマイク)とミックス されるとき、この一般的な問題はしばしば発生します。 マイクからの漏れ出る信号は、コードの中でピックアップ信号と混ざり合って、 ピックアップチャンネルに現れます。

より高い増幅(ゲイン)量(そして、より長いケーブル)をピックアップに必要とすればするほど、 たくさんのマイク信号がピックアップチャンネルに現れます。

一般的に、信号がきれいなピックアップチャンネルに漏れ出てしまうマイクが25%から50%はあります。
しばしば、特定のピックアップとマイクの最良の位相は、実際のマイクチャンネルが漏れ出た信号の位相と 同調しないことを必要とします。
これはマイクに関する周波数レスポンス問題を引き起こして、ピックアップとマイク間で位相関係を 乱すことになります。
これは、予測できない周波数の打消しを引き起こします。
更に悪いことに、許容できるほど十分低いマイクの漏洩信号をピックアップチャンネルで捕らえるようとすると、 マイクにフィードバックが起こり始めるので大抵は不可能です! 1本のコードに並べたハイインピーダンス圧電型ピックアップとマイクの信号を十分きれいに送る 唯一の方法は、圧電型ピックアップのためにギター自体にある種のアクティブバッファーを持つことです
3. バッファージャック バッファージャックプリアンプはMixproのファンタム電源で動作し、 リングチャネル上のマイクための入力とチップチャンネル上の圧電型ピックアップのための 全独立型クラスAプリアンプ/バッファを提供します。
バッファーはクロストークを取り除いて、両方の信号の完全性を保って、ギターのバッテリーを取り払います。
それは、L.R. Baggs から入手できます。
4. ゲイン設定 ゲインはボリュームではありません。
ゲインは信号電圧を有用なレベルにまで あげるために、入力信号に適用される増幅量です。

ピックアップ、アクティブ装置等のワイドレンジに対応するために、Mixproはゲイン調整つまみがあります。
概念は、ヒスと歪の間のウインドウを見つけるためにゲインを調節することです。

たとえば、あなたがリボントランスのような低出力なパッシブピックアップを使っていて、 ゲインアップすることができないとしたら、あなたはヒスがたくさんあるピックアップが聞こえるように PAを大きくする必要があります。
逆に言えば、あなたが高出力のアクティブピックアップを接続して、ゲインダウンしなければ、 大きな歪が発生するでしょう。

Mixproは雑音が無いので、ゲインウインドウがかなり広いです。
しかし、より小さなスイートスポットがそのウインドウの中にあります。
すべてプラグに差し込んで、電源をつけ、あなたの楽器を勢い良く演奏してください。
演奏している間、あなたに歪がいくらか聞こえ始めるまでゆっくりとゲイントリム を回してください(時計回りに)。
そのとき今度は歪がちょうど消えるまでゲイントリムを戻して ください(反時計回りに)。
この設定は、最も豊かに鳴り響き、最も雑音がしません。 一旦あなたが自分に好ましい設定を決めたならば、我々はゲイン調整をそのままにしておくことを勧めます。
ボリュームとしてゲイン調整を使わないでください。
このような使い方をすると、上げたり下げたり調節するたびに あなたの音の特徴が変化してしまいます。


3.インピーダンス編

良く信号系を見てると「インピーダンス」って言葉が出てきます。
「インダクタンス」と言う単位もあります。
桐箪笥なら嫁入り道具で知ってるけど....そのタンスでも、踊るダンスでもありません。

簡単に言えば「抵抗値」みたいなもんです。
スピーカーでも言いますよね?「インピーダンス8Ω(オーム)のスピーカーです」って。

どこかで習ったかな?1ボルトの電圧を掛けて、1アンペアの電流が流れたら、抵抗値は1オーム。

E:電圧
I:電流
R:抵抗

E=IR 電圧は電流と抵抗値を掛けた値です。
I=E/R 電流は電圧割る抵抗値です。
R=E/I 抵抗は電圧割る電流値です。

既に「もうええわ」の人もあると思いますが....。一応、オームの法則です。(~_~;
ここは理解してもらわなくても全然OKです。単に話です。

音楽の信号は交流なので乾電池の直流と違って変化する信号です。
そうするとコイル(マグネットピックアップに使ってますよね?)とかコンデンサー(ピエゾピックアップが似たような性質です)を電気が流れる場合抵抗とちょっと違う流れ方をするので、それを正確に表すのに「インピーダンス」と言う単位を使うんですね。
基本的には抵抗値と思って頂いてOKです。
ここでの話しとしては抵抗値と言う考え方で話は通じますから安心してください。

で、インピーダンスですが、機器によってかなり違います。

マグネットピックアップは10kΩぐらい。
マイクは600Ω ピエゾピックアップは100kΩぐらい。
振動板に少しのコイルが巻いてあります。
振動板は軽くないといけないので沢山巻けません。
磁石の回りに沢山コイルが巻いてあります。 圧電素子と言う結晶に電極を貼ってあります。
結晶には電気は殆んど流れません。
出力される電圧は低い 出力電圧は高い 出力電圧は比較的高いが
電流は殆んど流す能力が無い

この辺りからマジに読んで欲しいのですが....。
で、どんな違いが出てくるか?って事なんですけど、インピーダンスが低いと同じ電圧でも電流がたくさん流れます
インピーダンスが高いと電流がほとんど流れません

それは、出力側(マイク/ピックアップ側)としては電流を流す能力があるかどうかと言う事になります。

マイクは600Ωなのでインピーダンスは低く「電流を流す能力がある」機器です。
逆に、ピエゾピックアップはインピーダンスが高く「電流を流す能力が無い」機器です。

入力側機器のインピーダンスを考えてみましょう。

PAのマイク入力端子は600Ωで(実際はずっと高いですが)、電圧に比べ電流が多く流れ主に電流の変化を増幅する入力端子です。
ライン入力端子は10kΩ前後のインピーダンスで、電流が余り流れず、主に電圧の変化を増幅する入力端子です。
ピエゾ用プリアンプの入力端子は100kΩ前後のインピーダンスで、電流は殆んど流れず、電圧のみを増幅する入力端子です

ここで、注目は....ローインピーダンスの機器は、ハイインピーダンスの入力端子につなぐのは可。
逆に、ハイインピーダンスの機器は、ローインピーダンスの入力端子につなぐのは不可です。


ここで言っているのは信号の大きさではありません。信号の性質の話です。
マイクをライン入力に入れたら音が小さい、当たり前の事ですが、ここでは「可」です。

どう言う事かと言うと、マイク等のローインピーダンスの機器はどんな入力端子につないでも信号の大きさの面の問題はあるにしても、基本的にはOKってことです。
逆に、ピエゾピックアップのようなハイインピーダンスの機器はマイク入力端子/ライン端子など、自分のインピーダンスより低い入力端子にはつないではいけません。

ローインピーダンスの入力端子は抵抗値が低いので、ハイインピーダンスの入力端子に比べて電流が沢山流れます。
そこにハイインピーダンスの電流を余り流す能力の無い機器をつなぐと電流が流れすぎるのです。

結果的にどうなるか?と言うと音質の自然な感じ(言い換えれば周波数特性が悪く)無くなります。
信号レベルも下がり、インピーダンスが余りにも違う入力にはつながない事が大切です。
言葉で表現すれば「音の太さ」などと表される部分です。音が痩せて細くなります

ここで導かれる結論としては、ピエゾピックアップは非常に高いインピーダンスなので専用プリアンプを使う事にして、直接PAやアンプにつないではいけません。


2.平衡/不平衡信号 編

なんて書くと読み方自体分からんと言うクレームが来そう。^_^;
「へいこう」と読みます。

なんでこんな言葉の話をするかと言うと.....

ギターのプラグは線が2本
マイクのコネクタは線が3本

なんでやねん?

それは、ギターのケーブルは不平衡で、マイクのケーブルは平衡だからです。

だから、それは何やねん?

別の言い方をすると、「平衡」は「バランス」、「不平衡」は「アンバランス」と言われます。

これがバランス入出力の模式図です。
マイク等が左側にありますが、中点からシールドが取られています。
(中点から何も取っておらず、シールドは単にケースのシールドとなっている場合が多いです。)

シールド線は外側に遮へい用のシールド、中には信号線が2本通っています。

本来、遮へいシールドは必要ありませんで、中の2本の信号線がツイストペア(ゆるやかに捻ってある)になっていれば基本的にはノイズが乗らない、と言う優れものの入出力形式です。
外来ノイズはツイストされた信号線両方に乗ります、それを平衡入力のミクサー初段アンプでは+入力と−入力につなぐ事により理屈上は逆相となり、打ち消しあってノイズが乗らないことになります。

初段アンプには「+」入力と「−」入力(単に逆相なだけで極性は便宜上ですが)あります。
えてして、ローインピーダンスで使われ、増幅はシールドの電位には関係なく「+」「−」端子間に流れる「電流を増幅」します。

まぁ、理屈ではそうであっても、実際は色々なノイズがのるのでシールドでその外を遮へいして使ってると言う感じですね。

低インピーダンスの上、極めてノイズが乗りにくい構造な為にPAの入力に使われ長距離ケーブルを引き回しても平気です。
大きなコンサートでは50mを引き回すなんて事はざらです。

#PAのみならず、計測器やコンピュータの通信RS−422などに古くから使われています。

なんで低インピーダンスだとノイズが乗りにくいのか?
外来ノイズは電磁波として空中を飛び、ケーブルに達した時に電位(電圧)を与えます。
低インピーダンスの場合、インピーダンスが低いのでノイズの電位差(電圧)は電流が流れる事により低くなります。
ハイインピーダンスの場合は、インピーダンスが高いのでノイズが電流として流れず、モロに電圧として信号線に乗ってしまいます。
じゃ、ギターのピックアップとかはどうなのよ?

って言われたら、この模式図で表せます。

信号線を1本と外側の遮へいシールドがもう一本の信号線を兼ねています。
こちらの方が、一般的と言えば一般的でしょう。
主にハイインピーダンスの回路に使われます
ギターの場合は10kΩ前後のインピーダンスです。
入力端子とグランドとの電位差(電圧)を増幅すると考える事ができます。

ただ、遮へいのシールドが切れている部分があると、そこからノイズが乗りやすい。
特に入力機器(マイク等と表記)のインピーダンスが極端に高い場合(ピエゾピックアップ等)は影響が出易い事になります。

信号の検出はグランドの電位に頼っているので距離が長くなってグランド自体の電位が不安定になるとノイズが乗りやすい。
あくまでも短距離の入出力形態といえると思います。


ウチのマイクはギターと同じプラグだよ?
って言う人もあるかと思いますが、マイク側のコネクタ側の接続で上図と同じ結線になるようにしているのですねぇ。
ケーブルのマイク側で−端子をコイル片方に接続するか、ミキサーに近い側のジャックで−端子とグランドを接続してます。
カナレのマイクケーブル
ツイストされてるの分かるよね?

シールドは編み込まれていて遮へいは良いと思われます
何故か信号線は4本あって、通常青2本、白2本をコネクタに半田付けします

何故なら青は単に青で、青の1番とか2番とかはテスターで計るなどしないと判別不可能なのです

この辺り、2本になっている意味合いなどご存知の方は教えてください

↑後で調べましたらこの方法の方がノイズマージンが高いそうです。

業界では有色ホット、黒色コールドの原則があるそうです。
このケーブルの場合は青がホット、白がコールドになりますね。
PAに使用しているマルチケーブルの内の1本
かなりツイストは甘く、ほぼストレート(笑)

かなり細く、またシールドは編みこみでは無く、単に巻いてあるだけです

ケーブルとしてはかなりいい加減 ^_^;
それを....20mも使ってるんですけど....。^_^;;;;;;

音がそのせいで悪くなった気がしないのは僕の耳が悪いのか?それとも意外とケーブルでの信号の劣化が少ないのか?

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1.ピックアップ考 マグネティック編

フィッシュマン NEO−D SUNRISE S−2
外国製の安物 SUNRISE S−2

マグネット型のピックアップ
色んな種類の物が出てますよね。

僕が使った事のある2種類を代表例に紹介します。

フィッシュマン NEO−Dと写真下の安物はシングルボビン(シングルコイル)タイプのピックアップです。
写真右のSUNRISE S−2はハンバッキングタイプ。

どう違うの??
と、思ってる人多いと思います。

では、下の写真を

シングルボビン ハンバッキング humbucking

って....エレキギターのピックアップじゃないの?

はい、その通りです。(^^ゞ
構造の差が分かりやすいので掲載してみました。
ハンバッキングはコイルが二つありますね。

なんで??

名前の通り、ハムノイズを消す為にハンバッキングタイプは開発されました。
仕組み的にはコイルが二つありますが、巻き方向が逆になってまして、外部からのノイズ成分に対して二つのコイルのノイズ分が逆相になって打ち消し合うお陰でノイズが少ないと言うものです。
このタイプは、弦の振動に対しては磁石を反対に効かせる事で電気的には同相に働くように上手く考えられています。

外部からのノイズに対してはコイルが逆巻きになっているので、図の左側のコイルと右側のコイルは逆相に信号が発生する。

図の状況ではマイナス同士が接続され、プラス同士が出力されるので打ち消し合うのです。

本来磁石が付いていますが外来ノイズに対して磁石の影響は無いので図では割愛しています。

リモコンの電池の方向を片方間違えて入れたら動きませんね。
あれと同じでプラス同士だと電気は出てきません。
弦の振動に対しては、磁力線を弦が切った場合の事を考える必要があります。

コイルは逆巻きなのですが磁石も反対に付いている為に、発生する信号はもう一度反転します。
このお陰で出力は結果的に反対の反対で同相となります。

マイナスとプラスが接続され、音として出力される事になります。
電池で言えば直列接続ですね。


サンライズを見てみるとシングルっぽくない?と思われる方もいらっしゃると思いますが、コイルが上下に使われているのでシングルっぽく見えます。
L.R.BuggsのM1も同様で、ハンバッキングですが、上下にコイルが積んであります。

動作的には、上図の説明の磁石が片方無い状態での動作です。
片方のコイルはノイズキャンセルの為だけについていて、磁石無しの為に磁力線を切らないので弦の振動は電気信号には変わらないと言う事になります。
ノイズに対しては逆相に働いて打ち消しあいます。

見た目より上下に長いでしょ?
サンライズもそうです。
コイルが上下2段構造になっていて、下のコイルは単にノイズキャンセルの為に使われています。

では、どっちが良いのか?
と言う話に必ずなると思いますが、一般的にはシングルタイプの方が高域の抜けが良いと言われています。
また、低音はハンバッキングタイプの方が太いとも言われます。

この辺り音の面では個人的な好き嫌いの話になると思いますが、ことノイズに対しては構造上ハンバッキングタイプに圧倒的に軍配が上がります。

僕の超個人的な意見としては、アコギに使うならハンバッキングタイプを使うべきと思います。
ノイズ対策の労力(実際はノイズ源を離すしかないのだが)から解放されますし、低音の太さはアコギに必要と思うからです。
またエレキはディストーションやファズなど原音を歪ませて使うことが多いですが、アコギはクリアサウンドで使います。
その点からもハンバッキングタイプが良いでしょう。
プロのインストプレーヤーでシングルボビンを使っている人がほとんど居ないのも何故か?と考えると分かると思います。

NEO−Dのノイズ対策の話は色々書かれている方がいらっしゃいますが、シングルボビンタイプはシールド線を変えようが、シールドの上にもう一度シールドしようが、ピックアップ自体をシールドしようが構造上ハムは簡単に乗ります。
何故かと言うと
シールドが甘いのではなくてコイルに直接ノイズが乗るからす。
対策してノイズがなくなるものでは決してありません

#コイルに直接乗るノイズを減らす為にハンバッキングのタイプが作られたのでしたよね?

ピエゾに比較してマグネットPUはインピーダンスが低いので、ピエゾに比較してシールドを高級な物にするなどシビアになる必要はありません。
対して、ピエゾはハイインピーダンスなのでプリアンプまでの距離は極力短く、またできるならしっかりしたシールドを使いましょう。

蛇足ですが....

プレシジョンベースのピックアップも実はハンバッキング構造になっています。

低音側と高音側のピックアップがスプリットになってますが、お互いの巻き方向が逆になってまして極性を間違えると低音は出なくなるわ、ノイズは多くなるわ....します。(笑)

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